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by 6_coloured_apple

ブラームスあれこれ

妻がこのところブラームスの1番と4番にはまっている。
もちろん『のだめ』から。千秋がR☆Sオーケストラで振った曲が聞きたいと言うので、まずはジュリーニ&ウィーン・フィルで聞かせてみた。

ちょうど某CD通販サイトで、懐かしいバルビローリ&ウィーン・フィルや、チェリビダッケのセットを購入したりして、一気にブラームスが増えたところだった。

妻につられて、ブラームスは守備範囲ではなかった私もだいぶ聞くようになった。
以下に、その後増えた分をふくめて聞き比べした、素人の感想を。

1 ジュリーニ&ウィーン・フィル
とにかく“遅い”。あるサイトには「最遅演奏記録」と書かれていました。その中でも驚いたのは4番の終楽章コーダ。ジュリーニはとても好きな指揮者でした。しかし、妻の次の一言で、はっとしました。「一番好きなフレーズ(第1楽章の第2主題?)で、ホルンの音が汚いのよね」う〜ん、確かにチェロとホルンがきれいに融け合っていない。バラバラ。DVDのブルックナーの9番のリハーサルを見たが、リズムとフレージングにはとても注意していたが、音色のバランスなどには、もしかしたら無頓着なのかもしれないと思うようになってしまった。あるいは、奏者の自発性に任せているのか。

2 バルビローリ&ウィーン・フィル
これも遅い部類だが、ジュリーニを聞き慣れた耳では違和感なし。このころのウィーン・フィルが美しかったのか、バルビローリの手腕なのかはわからないけれど、とても美しい音色。独特の節回しは、これが世に言う“バルビローリ節”というやつですか。

3 ベーム&ウィーン・フィル
ウィーン・フィル3連発(笑)。最も最近入手したのがこの盤。とりあえず、妻の最も聞き親しんでいる第1番。名盤の誉れ高い超定番ではあるのだが、何故かすっごく「雑」に聞こえる。弦の入りもバラバラだし、ピッチも所々怪しい。妻には演奏家を伏せて聞かせたのだが(と言っても、全く詳しくないのだが)、「歯切れはいいんだけれど、若い人? 雑ね」と言っていた。素人の意見は怖いですね。この演奏はとかく「ご老体にむち打って」とか「緊張感が持続しない」と評されるけれど。

4 チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル
妻の定番。とにかくこれが一番気持ちいいとのこと。所々、特にテンポが、はじめに聞いたバルビローリやジュリーニと違っているので、驚いたそうだが、一番“痒いところに手の届く”、こうなって欲しい演奏なのだそうだ。確かに、強弱、速度がめまぐるしく変わるところが、他の演奏と一線を画している。テンポの遅さと相まって、嫌いな人は嫌いだろうな。

5 チェリビダッケ&シュトゥットガルト放送響
某CD比較試聴サイトで、「楽譜よりも若干打楽器の数が多く、男声パートが付け加えられている」と評されている(これはブルックナーだけれど)とおり、唸るは、指揮棒で指揮台叩くは、熱気のある演奏。後年のミュンヘン盤よりも若干テンポは速いが、解釈の根本は変わっていないように聞こえる。

6 スィトナー&ベルリン国立歌劇場
“いぶし銀の響き”などど評されているが、カップリングのドヴォルザークと同じく気合いの入った元気のいい演奏。ところどころアンサンブルが乱れるところもあるけれども、気合いの入っているせいと納得できる。反対にオケの気が抜けてるんじゃないの?と勘ぐりたくなるのがベーム&ウィーン・フィル盤なのである。

7 ケンペ&ミュンヘン・フィル
うちにあるのでは、一番速い演奏(笑)。「遅い演奏群」になれていた頃に購入したので、実はあまりきちんと聞いていない。曲にだいぶ耳も慣れてきたので、こんどちゃんと聞いてみよう。

8 ザンデルリンク&ドレスデン国立歌劇場
解釈の面白さもあり、なによりもオーケストラの音色が素晴らしい。オケの音だけを単純に比較したら、最も美しいのではなかろうか。上記3のベーム&ウィーン・フィルよりも、絶対に美しい。ドレスデン国立歌劇場はとにかく美しかった。ザンデルリンクの指揮もメリハリがあってよい。こんど晩年のベルリン響との演奏も聞いてみたい。HMVでは“遅い”と評されていたが、遅い演奏には免役ができているので(笑)。

おまけ。
ウィーン・フィルって、手ぇ抜いてないかなあ。チェリビダッケやザンデルリンクを聞いてしまうと、はっきり言って「へた」に聞こえてしまう。これはもうライブで暴れている故のずれとかの問題ではない。ベームもジュリーニもスタジオ盤だしね。
ウィーン・フィルはきれいという、僕の中の「ウィーン・フィル神話」ががらがら崩れていく……。

と聞いたところで、大事な人を忘れていました。フルトヴェングラー。廉価の輸入盤全集は音が悪いと酷評されていたので、単発で国内盤の1番と4番を注文中。高校の頃、友達の家で聞いた4番の最初の音に腰を抜かすほど驚いたが、結局自分では買わなかった。とても楽しみ。しかし、また散財(泣)。
by 6_coloured_apple | 2006-03-30 00:25 | 音楽